コンクリートブロック・化粧ブロックの種類・選び方

ブロックの種類01

こんにちは
丹生産業の三田村です

今日は、外構計画でよく使われる材料『ブロック』について考えています

一般的な解釈とは少し違っているかもしれませんが、職人の観点からコンクリートブロックについて考えています。外構計画の参考にしていただけたらと思います

新築の外構計画では頻繁に『コンクリートブロック』が使われると言うことで、よく話に出てくる内容を書いてみようと思います

・ブロックとは?
・ブロックの種類
1 リブ系
2 綺麗系
3 ブロック+α系
・ブロックの主な使い方は?
1 隣地境界のブロック塀
2 土留め
3 玄関先の門柱
・普通ブロックとは
・まとめ

以上の様な内容です。

○外構で使われる材料『ブロック』とは?

私どもにとりましては、一般的な外構・エクステリアの材料になりますが、
新築の計画などで図面に記されていたりして、皆さんにとりましてはあまりなじみのないものだと思います

『ブロックチェーン』など話題ですが、その様な画期的な物とは対極の存在です・・

一般的には『セメントなどで造った中空の四角な建築材料』とあります
中央に穴の開いたコンクリートです

形状は主に3種類


外構に使うブロックの選び方2


上記の3種類を組み合わせて形を作ります

ブロックの穴は、塀などの壁を形成する際に、自重を軽くする意味合いと
一定の間隔で穴に鉄筋・コンクリートを充填する事で、基礎からの一体構造にするためにあります

よって穴を全てコンクリートで埋めると、重くなってしまいメリットがなくなります
あくまでも、鉄筋の補強を行う部分にコンクリートを流し込みます
(厳密には、地中に埋まる部分はコンクリートを流し込むなど色々あります)

そして、ブロックは、化粧ブロック普通ブロックの2種類に分類されます

○『化粧ブロック』とは

一般的に良く使われている綺麗なデザイン的なブロックを総称して『化粧ブロックと呼んでいます

主要なエクステリアメーカーから色々な本当に様々な材料が出ていますが、

主に①リブ系 ②綺麗系 ③ブロック+α系の3種類に分類されます

1,リブ系

外構に使うブロックの選び方3

現在も、最も主流と言える材料です。

コンクリートに色々な骨材を混ぜて、顔料で色を着け、圧縮で割って仕上げた材料になります

コンクリートを割って仕上げるため、表面は石のような自然な仕上がりになります

1本ライン・5本ラインなど、ラインが入ったデザインが特徴的です

製造方法は、機械による圧縮で『割る』という画期的な方法で作るため、デザイン性と生産性が非常に良く価格的にも魅力的な商品です

また、ブロックの施工時に、『縦目地』を付ける必要がない製品であるため、施工する立場からも使いやすい商品です

会社の規模的にはそれほど大きくない会社の製品ですが、一気に日本中に広がった商品です

その後は、大きなメーカーに吸収されて最初の製品はなくなってしまいましたが、
この方法で作られた製品は今も日本中で使用されています

私どもも多く使用させていただいております

各メーカーから同等品が発売されていますが、やはり少しずつ違います

『製品の精度』『硬さ・重さ』『汚れのスピード』『価格』などメーカーにより違います

精度とは、簡単に言えば大きさです。大きさが違うと施工は大変です
見た目の印象はそれほど変わらないと思いますが±3mmだとして、+3mmと-3mmを10列使うだけでも相当な誤差があり施工で吸収するには相当難しいです(主に施工側の問題です)

●硬さ・重さに関しては、やはり硬いと重いです 

●軽いと柔らかいです 

●重いと施工はしにくいです

●軽いと施工性は良いです

●硬いと汚れにくいです 

●重い構造物が必ずしも良いとも言えません

判断は難しいのですが、各メーカーの工夫が見られますし、方法は多々あります

●重い場合は、基礎を工夫する事で解決します

●軽い場合は、表面のコーティングでカバーできます

精度に関しては、機械・金型などを新しくすると言った、『費用対効果』になりますので、コストの面で勝っているため、許容範囲だと思います

リブ系に関しては、以上の様な材料です

2,綺麗系

外構に使うブロックの選び方4

リブ系の割り肌仕上げに対して、綺麗な仕上がりの商品になります
製造方法も様々で、多くのカラー・デザインがあります

費用対効果で考えると、玄関周り、リビング周り等に使用する事が多い商品だと思います

3,ブロック+α系

外構に使うブロックの選び方5

これは、普通コンクリートブロックに自然石・タイルが張った状態で仕上がっている商品になります。

躯体は鉄筋を使用するコンクリートブロック造、表面に自然石などの高級素材を使用した材料です。

現場では貼り付ける必要がないため、タイルを貼り付ける品質は安定します。
高級品になりますので、門周りに使用する事がお勧めです。

普通ブロック

また、化粧ブロックとは別に、ホームセンター等にある『普通ブロック』と言われる材料もあります 幅40cm高さ20cmの普通のコンクリートブロックです

外構計画では主に下地材・構造材として使用されることが多い材料です。このブロックを用いて色々な物を作ることも可能です

材料はホームセンターでも購入可能です

福井県でもこの材料を製造している会社が以前ありました(ホームセンタープラント2付近です)ですが、県外のメーカーとの競争となり、県内メーカーは『高品質』を追及する道を選びました。 具体的には『JIS企画の強度よりも強い商品を作る』と言う方法でした。

ホームセンターでの1個の販売価格は100円程度の商品です。ですが、品質を上げた結果、ほんの少し価格は高くなりました。

そこへ、県外のメーカーが安さを売りに、ホームセンター・建材店へと進出し、今では県外の物のみとなっています。単純に見ると時代が『強度』より『価格』を選んだという結果になっていますが、考えさせられるものがあります

JIS規格品ではありますので、品質には問題ありませんが、A・B・Cと強度によって判子が押してあります。ホームセンターで購入の際は、強度も確認すると良いかもしれません

また、普通ブロックを甘く見てはいけません!

自然石の門柱やデザイン壁・塗り壁の門柱などは、普通ブロックを躯体として、表面に石・タイル・塗り壁材などで仕上げます。(若干施工方法が違いますが大まかには同じです)

後から綺麗に仕上げることも十分に可能です!

ただし、その際、ブロックを敷地ギリギリに施工してしまうと、タイル・自然石などが敷地からはみ出てしまうため、敷地内に下がって施工してある事が条件です

しっかりと計画をしましょう!

○コンクリートブロックの主な使い方

コンクリート製品で、自由に使える材料ですが、主に屋外の『壁』を作るために使われることになります

新築の計画だと、『隣地境界のブロック』『土止めブロック』『玄関先の門柱』そして『昔からのブロック塀』メジャーな物だとこの様な使われ方をします

また、それぞれに見合ったブロックがあります

(ブロックはコンクリート製ですので、地震などを考えると重さがデメリットにもなります)

1『隣地境界のブロック塀』

これは、ホームセンターでも販売されている『普通ブロック』や『リブ系のブロック(後述)』を使用する事が多いです

境界ブロックは、敷地の境界に施工をしますので、道路やリビングなどから見える部分は綺麗に仕上げたいですが、基本的には強度・耐久性を重視して考える事が多いです

家と家の間になる事も多く、福井の場合は屋根からの雪が落ちてくる場所での計画となります

また、当社の開発した『隣地境界専用コンクリートブロック』などもお勧めです!

2『土留め』

外構に使うブロックの選び方6

土留めと言う用途に使う場合は『型枠ブロック』を使用します
土に埋まる部分は専用の材料を使います

(ですが、高さが低い場合は型枠ブロックを使わずに、土に埋まる部分に処理を行い、鉄筋の量を増やすなどして施工します)

ただし、高さがある場合は、型枠ブロック等の材料を使用します
化粧仕上げの型枠ブロックもあります

3『玄関先の門柱』

門柱などに使う場合は、『塗り壁』+『タイル・ガラス等』+『化粧ブロック』など
組み合わせて使う事が多いです

塗り壁の場合は、『普通ブロック(下地用の施工方法です)』+『専用下地2回』+『専用中塗り2回』+『上塗り2回』が一番お勧めのメーカー推奨の方法になります

実際は、普通ブロック(普通の施工です)+下地1回+上塗り1回 この様な施工が多いでしょうか?

ただし、1回塗り可能な材料もメーカーからは出ていますので、その様な材料を使うのでしたら綺麗に仕上がります

また、躯体がしっかりしていれば、汚れてからの塗り直しも出来ます。

その他として『昔からのブロック塀』

主に敷地を囲むように、道路と敷地の境界のために施工する塀です
大きな敷地に建つ住宅には多く見られる方法です

デザイン的に壁を設ける場合は、色々な方法が考えられます

当社は、地震などを考慮して『ブロック+アルミフェンス』などでお勧めすることが多くなっております

外構に使うブロックのまとめ

使用量が多い『リブ系』は長い距離で有効です

種類の多い『綺麗系』はファサード・中庭計画にお勧めです

高級な『表面に貼り付けた系』は玄関周りのアクセントとして使用がお勧めです

この他に、塗り壁・ガラスタイル等、様々なエクステリアマテリアルを組み合わせる事で、エクステリアを考えると楽しいです

そして、どの様な材料を使用するにしても、大事なのは『基礎』と『施工方法』です。しっかりと確認をしましょう。ブロック・鉄筋・セメントetc・・JIS企画品が用意されています

福井県では東洋工業さんは、物流・品質などトータルで考えてもお勧めのメーカーになります。『ホームページ・WEBカタログ』なども見ると楽しいです

長い文章になってしまいましたが、読んでいただきました事感謝いたします

Nyuusanngyou 三田村